リーディングパフォーマンス『語り女たち』(紀尾井小ホール)
構成・演出:中野俊成
原作:北村薫(『語り女たち』新潮社刊)
音楽・演奏:松谷卓
リーディング:松永玲子(ナイロン100℃)、町田マリー(毛皮族)、高橋真唯、森田浩平
ナイスな企画だ。最近観たいものを適当にチョイスして見にいくともれなく町田マリーがついてくるというのはラッキーである。かなり立派で高級感溢れる紀尾井町ホール、席は最前列ほぼ中央、満席ではなかったけれども、こういうなかなかない企画を目の当たりにできた一部の者こそ幸運なのだ。
原作者の北村薫という作家について恥ずかしながら全く予備知識がなかったのだが、ググってみるとなにやらミステリー作家であり、古風めな名前から想像できるイメージに反してまだ普通に生きている現役作家らしい(汗)。伴奏のピアノ奏者・松谷卓は静岡県出身のイケメン若手有望株で、自分のピアノ作品以外にもCMや映画音楽まで幅広い活躍をみせているようだ。
ということで1人の男の前で3人の女性が代わる代わる朗読をしていくスタイルで物語は進展していくのだが、終始緊張感の張り詰める中、3人はそれぞれ個性を発揮させて素晴らしいリーディングを聞かせてくれたのである。町田は演劇でセリフを話す状態から想像できるとおりの小柄な外見に見合った可愛らしく澄んだ声で、ミステリアスなストーリーを効果的に読み聞かせてくれた。凄いと思ってしまったのは松永玲子!抑揚を強調したスリリングなリーディングは演劇でみる彼女以上に迫力も魅力も抜群でドキッとさせられる場面が目白押しであった。ほとばしるように有能さがアピールされていた。23歳の女優・高橋真唯(たかはしまい)が心を込めて熱心に読む姿もなかなかよかった。
しっとりと柔らかなプレイでピアノ伴奏を務めた松谷卓だが、こういう場(派手なプレイは必要ない舞台)で弾くのは意外に難しいものなのかもしれないが物語の謎めいた雰囲気をさらに際立たせる役割を十分に果たしていた。
最も聞き入ったのは3人が同時に登場してコミカルな雰囲気で読まれた「闇缶詰」だ。松谷が座っている椅子に町田が腰をかけるシーンには和んだ。トドの缶詰って新千歳空港で売ってたような・・・。
■ MENU ■
プロローグ
「緑の虫」 町田マリー
「違う話」 高橋真唯
「わたしではない」 松永玲子
「あるばむわりあ」 高橋真唯
「手品」 町田マリー
・
語り部 森田浩平
『語り女たち』北村薫 著(新潮社)より
そして4月から松永と町田がテレビで観られるって〜〜っ!!
http://www.tbs.co.jp/program/dorian.html