ポツドール vol.16 『激情』(再演)(本多劇場)

脚本・演出:三浦大輔
出演:安藤玉恵 米村亮太朗 町田マリー(毛皮族) 古澤裕介 小林康浩 脇坂圭一郎 玄覺悠子
    井上幸太郎  仗桐安(RONNIEROCKET) 鷲尾英彰 美館智範 河西裕介


我らが道産子・三浦大輔ポツドール本多劇場へ初進出。古田監督夫人の中井美穂や毛皮のタカダ嬢やら見たことあるようないろんな人が会場にいた。ほぼ満員である。席は最前列中央ブロック。町田嬢の演技を眼前で見られるのはうれしい。


雪国のひっそりとした寒村に生きる若者達を舞台にした、人間の汚らしいエゴイズムと性欲と暴力が渦を巻く衝撃的な作品であった。両親の自殺によって多額の借金を背負うことになった男が最後につけた「落とし前」とは…。


生々しいラストシーンを観終わった後のモヤモヤ感を私はまだまだ頭から拭いきれずにいる…。人間は誰もが身勝手で欲望の塊で汚いものなのだが、そんな部分があからさまにエ〜グく表現されている。とにかくセックスと暴力シーンの応酬なので中盤には正直飽きがきたのが本音だが、それでもさすがはポツドールだ、たたみかけた末の落としどころは巧い。こんなものを見せられると現実社会で人と接するのが怖くなってくるしもう誰も信用できなくなってしまう。

客席前方まで雪が飛んできちゃったのは冬という季節を感じるという点において効果抜群に思えたし、終始素晴らしい演技をみせてくれた古澤裕介はゴキコンで観るよりもずーっとヨカッタかも。