ペンギンプルペイルパイルズ『道子の調査』(ザ・スズナリ)


作・演出:倉持 裕
出演:小林高鹿 ぼくもとさきこ 玉置孝匡 内田慈 近藤智行 
    吉川純広 松竹生 山本大介 伊藤留奈 加藤啓(拙者ムニエル


演出家・劇作家の倉持裕率いるこの劇団、最近いろんなところで名前を目にし、とにかく評価が高いようなので予備知識ゼロの状態だったのだが行ってみることにした(土曜日・マチネ)。派手な演出や奇抜なストーリーで魅せるのではなくて、どちらかというと知性の垣間見える考え抜かれた技法を武器にして客を虜にするプレイのようなイメージを私は持っていたが実際そのとおりであった。



当然失踪した女を探すための調査に呼ばれた男女6名。調査会社の一人の女性(砂恵・ぼくもとさきこ)が彼らから失踪者についての情報を収集するが、決定的なネタはなく、そのまま調査は打ち切り。6年後に再調査された時にはなぜかその調査会社の女性も失踪していて、別の社員(道子・伊藤留奈)が担当することになった。道子が再調査を行った際、6名の男女は再招集されたのだが、どういうわけか彼らの発言からは砂恵に関する内容のものが多く、道子を困惑させる。。。



幾多のネタが散りばめられ、何がどこの伏線になっているのか、私はそれを考えながらじっくり観覧したのだが1度観たくらいではわからないっぽいものが多く、もしも観て解ったかのか解らなかったのかと問われれば、解らなかったと答える。でもそれが面白かったというのが本音だ。後で何かに繋がるのだろう、これはおそらく前のこの部分と関連性があるのだろうという謎解き気分と、適度な意味不明さが微妙に心地よくなるような、試されている感じ、突き放されている感じが終始楽しかった。女優陣それぞれが優秀で特にぼくもとは個性的で存在感があって非常に演技が巧いし、女子高生役を演じた内田慈は可愛らしくてたまらなかった。

なかなか見れないタイプの演劇だと思う。こういう微妙さ加減をもっと楽しめるように色々な舞台をもっと見ておこうと思う。



道子の調査:http://www.penguinppp.com/works/michiko/index.html