SHINKANSEN☆RS『メタルマクベス』(青山劇場)
原作:ウィリアム・シェイクスピア
脚色:宮藤官九郎
演出:いのうえひでのり
出演:内野聖陽、松たか子、森山未來、北村有起哉、橋本じゅん、高田聖子、粟根まこと、上條恒彦 他
有名どころをズラッと揃えてヘヴィメタル然とアレンジされたマクベスを演っちゃうってんだから劇団☆新感線には驚かされる。音楽のほうは歪みまくったギターサウンドを大胆にフィーチュアし、役名にはランダムスターだのレスポールだのってそれっぽい言葉が当てがわれている。ん?レスポール?ギブソン?グレコ?フェルナンデス?よく考えてみると別にメタルってほどメタルな言葉でもなかったりする…。メタル!!ってんならレスポールよりもフライングVとかワーロックじゃね?グレコやフェルナンデスよりもB.C.RICHとかアイバニーズじゃね?まあそんな細かいことはどうでもよい。いい芝居を観れたので満足だ。
4時間近くにものぼる大作、あらすじはほぼ原作どおりといって差し支えないだろう。オープンニングからカレーを作る林さんなんか登場しちゃっていかにも新感線らしくコミカルさとシニカルさを適度におり交ぜ、肩の力を抜いて没頭しきれるように巧みに創作されていた。
それにしても松たか子はやっぱり凄いな。力を入れるべきシーンの演技と抜くべきシーンの演技とのメリハリが上手い。昔は頼りなく思えた歌のほうも芯があってよく通る伸びやかな声を操れるように成長していた。観るたびにもっと観たくなる女優だ。
他に印象に残ったのはベテラン・上條恒彦だ。終始持っているキャラクターそのままの自然すぎるほど自然な演技で作品を支えた。場慣れすると言葉でいうのは簡単だが、実際目の当たりに出来る機会は意外に少ない。さすが!
高田聖子のバストがあんなに豊満だとは、今まで知らなかった…。