2005年を振り返って


毎年毎年思うことだが、今年も本当にいろいろなことがあったと思う。いろんな人のCDを聴き、いろんなライブを見た。期待していたら見事にそれを裏切られたり、たいした期待をしていなかったら思いもよらない感動を与えてもらったりもした。一年を通して感じていたことは、誰でもミュージシャンになれる時代はまだまだ続いているということだった。ズブの素人でも簡単にCDが作れて、ノルマを支払えば誰でも人前で演奏できる。そのうえ、ネット社会のせいもあってか、有能なアーティストの情報量とそうでないアーティストの情報量の差がなくなってしまい注意を怠ると判断を誤る危険性が益々増えてきた。
そんな中で、やはり本物は本物といえる人が頑張ってくれたのは大変喜ばしいことである。特に40歳前後のベテランたちの活躍が目立ったおかげで「若者文化としてのロック」というコトバの次のステップへ上る何かを提供して貰えたように感じた。経験を生かし、視点を定め、腰を据え、目の前の状況に踊らされずに苦心して作り上げた我が道を進む者は強い。演る側も聴く側もアンテナを張り巡らし判断力を培っていくことが大切だ、そんなこと日々実感した一年であった。

・BEST GPOUP

1位 YUKI
2位 町田康グループ
3位 上原ひろみ
4位 東京ピンサロックス
5位 ジェット機

歴史に残る名盤を残したYUKIは本当にすごいと思えた。彼女のキャリアでこれだけ良くできているアルバムは無い。コトバと狂気とアレンジ力を武器にやってくれた町田康グループもお見事!今年一番の収穫だ。プレイよりも「曲」を聴かせるという点で成長を見せた上原ひろみには下半期、特にのめり込んで聴いた。音の渦に身を委ねる快感を得ることができた。大胆に進化していった才女集団・ピンサロックスの努力ぶりには恐れ入ったし、ジェット機の代官山ライブは壮絶だった。


・BEST ALBUM

1位 『joy』(YUKI)(id:yasshiko:20050226:p1)
2位 『live 2004 oct 6th』(町田康グループ)
3位 『スパイラル(初回限定盤)(DVD付)』(上原ひろみ(id:yasshiko:20051114:p1)
4位 『rhythm channel』(東京ピンサロックス)(id:yasshiko:20051005)
5位 『BEAN BAG』(BEAN BAG)(id:yasshiko:20050612:p1)

自分にとって21世紀最高の名盤『joy』が文句なしで1位。楽曲・アレンジ・個性、全ての点においてよくできていてもちろん今年一番よく聴いたアルバムだ。破天荒な中に微妙なドラマチックさや社会批判が巧く盛り込まれていた町田のライブ盤も毎日のように聴いた。名盤だ。練りに練られた独特の世界観を巧みな技術で表現しJAZZの枠から大きく飛び出た上原ひろみの音楽に対する真摯な姿勢と明確なヴィジョンは作品としてハッキリとした形に表れた。ピンサロックスはどんどん実験して新たなファクターを取り入れていくことによって音楽の幅を広げ、見事に実を結ばせた。うまく己を磨いた一年だね。『BEAN BAG』はYUMIの歌を聴くだけでも価値のあるアルバム。バンドブーム世代にウケるだろう。


・BEST TUNE

1位 うどんの中の世界町田康グループ)
2位 スパイラル(上原ひろみ
3位 キスをしようよ(YUKI
4位 higher higher (BEAN BAG
5位 テ・イ・コ・ウ(ジェット機

何でもかんでも入れてみればいい〜♪現代のカオスをうどんという鏡に照らし出した名曲、早く音源化してくれ!‘スパイラル’はライブで聴くと本気で酔って立ち上がれなくなるほどによくできていた。‘キスをしようよ’の柔和さと優しさにはいつも癒されたし、YUKIでなければここまで表情豊かに歌うことはできなかっただろう。


・BEST VOCALIST

1位 町田康
2位 YUKI
3位 ナオコ(東京ピンサロックス
4位 宮田ジェットジェット機
5位 YUMI(BEAN BAG

表現力と聴かせ方という視点で町田が1位。ライブでの魅力も凄まじく、ここまで魂を表現できる男に巡り会えて嬉しく思う。CDでは最高だったYUKIはライブでダメだったので2位に。逆にCDでイマイチの宮田のライブでのカリスマっぷりには驚いた。ナオコはいろんな実験を重ねて成長していく姿が目に見えるようにわかった一年だった。どんな曲でも自分のモノとして歌えるシンガーだ。

・BEST GUITARIST

1位 松江潤(※YUKI;support)
2位 澄田健(VooDoo Hawaiians、水戸華之介3-10chain)
3位 内藤幸也(町田康グループ)
4位 KENTARO(Gargoyle
5位 NARASAKI(特撮)

ジャンル的にはバラバラでも、独自の音を表現するチカラを持った5人。澄田幸也のおかげでR&Rスタイルのギタリストの魅力を深く知ることができた気がする。


・BEST BASSIST

1位 ヒサヨ東京ピンサロックス
2位 高橋竜(※特撮;support)
3位 SHIMA-CHANG町田康グループ)
4位 SAMURAI.W.KENJILAW(SEX MACHINEGUNS
5位 瞬火陰陽座

ロックベースにはまだまだ採掘されていない部分がたくさんあるかも!?という可能性を感じた一年。上記5名は今までの常識とは違ってどこかフツーじゃないぞ。ヒサヨはアイディアが豊富でフレーズのヴァリエーションの広さが素晴らしい。リフメイカーとしてもバンドを引っ張った。

・BEST DRUMMER

1位 有松博(特撮)
2位 レイコ(東京ピンサロックス
3位 ロジャー高橋(町田康グループ)
4位 SPEED.STAR.SYPAN.JOE(SEX MACHINEGUNS)
5位 川西ジェット(ジェット機

上半期と同じ。変則な人・努力して面白いパターンを編み出す人の生み出す音楽的効果を聞き漏らしてはなるまいと注意して耳を傾けた一年。頑張っている人は必ず実を結ぶのだ。

・OTHER PLAYER

1位 三柴理(特撮、electric piano)
2位 上原ひろみ(piano/electric piano)
3位 蔦谷好位置(※YUKI、synthesizer/programming)


・BEST LIVE PARFORMANCE

1位 ジェット機(8月28日)(id:yasshiko:20050828:p2)
2位 町田康(10月28日)(id:yasshiko:20051028)
3位 五人一首(10月1日)(id:yasshiko:20051001)
4位 Voodoo Hawaiians(6月4日)(id:yasshiko:20050604:p1)
5位 上原ひろみ(12月1日)(id:yasshiko:20051201:p2)

振り返ってみると下半期が充実していたようだ。アーティストそれぞれが魔術のように魅力を発揮してくれたライブには非常に興奮したし、忘れられない思い出となった。ベテラン勢の力はライブだとなおさら強力に感じた。

・BEST SONGWRITER

★★★WORDS★★★
1位 町田康町田康グループ)
2位 YUKI
3位 ナオコ(東京ピンサロックス
4位 YUMI(BEAN BAG
5位 ANCHANGSEX MACHINEGUNS
女性陣が健闘。やっぱり自分の言葉で歌える人は魅力的だ。町田康の新曲群の狂いっぷりは凄いぞ!


★★★MUSIC★★★
1位 蔦谷好位置(※YUKI
2位 町田康グループ
3位 上原ひろみ
4位 辻剛(※BEAN BAG
5位 NARASAKI(特撮)

CDを聴けばわかる!ライブを観るともっとわかる!!感性のままに書く人よりも練りこんで
いる人のほうが面白かったな、今年は。


★★★ARRENGEMENT★★★
1位 東京ピンサロックス
2位 町田康グループ
3位 上原ひろみ
4位 蔦谷好位置(※YUKI
5位 五人一首
アイディアを振り絞って面白いバンドマジックを聴かせてくれた人たち。ピンサロックスの実験への意欲は恐れ入った。これからもますます期待できる。町田と上原は本当にいいメンバーをバンドに選んだと思う。


・BEST ALBUM COVER

1位綿いっぱいの愛を!  2位rhythm channel 3位joy

・☆☆☆SHINNING STAR☆☆☆

1位 YUKI
2位 町田康
3位 上原ひろみ
4位 宮田ジェット
5位 三柴理(特撮)


・WORST ENEMY

1位 ACE(face to ace
2位 斗羅陰陽座
3位 KIBA(gargoyle

・PLEASURE

1位 YUKI新作発表、本格活動再開!
2位 上原ひろみ新作発表&凱旋公演
3位 6.14LIVE開催(MARRY氏命日)


・BORE

1位 ロックシーンの低レベル化に拍車が…。
2位 YUKIの息子さんの事件
3位 安っぽいロックフェスの安易な増加