市川哲史『私が「ヴィジュアル系」だった頃。』

私が「ヴィジュアル系」だった頃。

私が「ヴィジュアル系」だった頃。

ヴィジュアル系の父?V系専属ライター?この人って所詮売れてるアーティストしか相手にしない人だと思っていた。市川哲史が大プッシュして成功を収めたバンドなんてあったっけ?



音楽評論家・市川哲史大槻ケンヂYOSHIKISUGIZOキリト大島暁美との対談をとおして、[[X]]登場からの笑いと涙と酒に塗れたヴィジュアル系シーンを振りかえるという内容のもの。
といっても(この人の書く文はいつもなのだが)音楽の内容についてはほとんど触れられていない。当時のバンドマンたちのシーンに対する姿勢や戦略、オフステージでの人間性、飲みに行ったときの武勇伝など、ブームの渦中での体験を友達感覚で気楽に語り合って、それをそのまま文章に起こしたものだ。『音楽と人』で連載されていた「哲ケン対談」そのままのノリである。
普段は何をやっているのかよく見えないYOSHIKIが本音で語っている場面が面白い。ロックに体育会系社会を持ち込んだエクスタシー・レコードおよび[[X]]の裏話、VIOLET UKへの意欲、音楽に対する姿勢が真摯過ぎるがゆえに自ら茨の道を歩まざるを得ないこの男はやっぱり凄いんだと改めて思った。


BLUE BLOOD』聴きたくなってきた!