東宝ミュージカル「ラ・マンチャの男」(帝国劇場)

脚 本 : デール・ワッサーマン

作 詞 : ジョオ・ダリオン

音 楽 : ミッチ・リー

演 出 : 松本幸四郎


先日美智子皇后もご覧になられたドン・キホーテをモチーフにした公演1000回を越える作品である。
WEB上で酷評されているのをたくさん見ていたのでたいした期待もせず観に行ったら、さすが松本幸四郎といえる名作じゃないか。
松本幸四郎は滑舌が悪くて会話が聞き取りづらく、歌も演技も思っていたよりは上手くなかった。しかし、場の盛り上げ方や微妙な呼吸など、作品全体としての魅せ方を知っている男であった。日本を代表する役者と呼ばれるに相応しい名演であった。


荒っぽい売女を堂々と演じた松たか子の迫真の演技もピカイチ。意志をそのまま演技に直結させる能力が高い。声に芯があり、歌も芝居に迫力満点だ。
意外にも乳房がかなり豊満で深い谷間を大胆に見せた姿は己の愚息を喜ばせた。


彼らを囲む脇役たちも素晴らしい役者ばかりで、最近アイドル化してきたいわゆる帝劇系の諸作よりもはるかに見ごたえがあった。
鍛え抜かれた本当のプロによる舞台を生まれて初めて見れたと思った。


ラ・マンチャの男」公式サイト:http://www.toho.co.jp/stage/la_mancha/top.html