大槻ケンヂデビュー20周年記念ライブLOFT版!(新宿LOFT)


土曜の夜の歌舞伎町。今夜も荒れ果てた路上には飢え乾いた犬たち。んで、まだまだまだまだまだナゴム

LIVE:大槻ケンヂ&BERATRK(石塚“BERA”伯広、小畑ポンプ、BARA)、
    大槻ケンヂ&へんてこりん(葛岡みち、maruse)with 長井ちえ、NARASAKI、池の上陽水


先日武道館で筋肉少女帯としてのデビュー20周年ライブを行った大槻ケンヂが、今日はソロ名義で改めてデビュー20周年を祝うライブを開催した。場所は聖地新宿ロフト。個人的な意見だが、筋少のLIVEよりもこっちのほうがずっと期待がもてる。長いキャリアで残してきたたくさんの楽曲からなにが聴けるか、どんなサプライズがあるのかワクワク感が膨らみまくるのだ。昼寝してて遅刻しそうになったけど、なんとかギリギリで間に合った。


まず最初は「大槻ケンヂ&へんてこりんwith長井ちえ」という編成でのライブが1時間ほど。エレピとバイオリンが入ったことでいままでのアンプラグド形式の演奏よりも雰囲気的にいっそうしっとりとフロアに染み入っていくような印象を受けた。オープニングナンバーは筋少史上№1のラブソング、‘僕の歌を総て君にやる’。歌のヘタさは際立っていたがいつになく気分良く歌っているようで心が和む。こんなタイトルの曲が1曲目とはもしかしてコムロ事件を皮肉ってのことなのか、と思ったらやはりMCはコムロネタできた(笑)。タイムリーな話題で初っ端から大ウケだったが、小室有里の名前を出してスベっていた瞬間を私は見逃さなかった。
この編成で一番よかった曲は特撮の‘テレパシー’だ。儚げなバイオリンの旋律が泣けるぜ。葛岡みち(Pf)はエディのピアノソロを「完コピ」していたな。‘パティー・サワディー’が聴けたのも嬉しいし、オーケンの小学校時代の友人である池の上陽水も登場してきてなにをやるのかと思ったら‘氷の世界’でビックリ団!!そんなこんなで、いい感じで後半戦へ。



大槻ケンヂと絶望少女達の‘ニート釣り’という曲のPV上映の後、後半のオープニングSEは‘GET WILD’!バブリーなシンセのフレーズにオーディエンスはみな震えおののく!オーケンと一緒に登場したのは小畑ポンプ(Dr)や石塚“BERA”伯広(Gt)ということで、今度はいくらか見慣れた布陣だ。‘夢見るショック!仏小僧’、‘お別れの背景’、‘トン平のヘイユウブルース’etc、この手のライブではお決まりのオーケン流ブルース・ソウルチューンを数曲披露。BERAと大槻の初対面(高校時代)の話は面白かったな。その直後にNARASAKI(Gt)が登場。きた!これからはもちろん特撮の曲が中心になってくる。待ちに待った怒涛の展開だ!NARASAKIの厚みのある変則コードやヘヴィなリフはロフトという狭くて淫靡な地下室によくなじむ。せっかくのシチュエーションなんだからもっともっと押されたりしたかった気もするが、それでもかなり盛り上がったからいいだろう。まさか‘キャラメル’が聴けるとは思わなかったよ。初期特撮の楽曲の中でもNARASAKIのプレイの特性が色濃く出ている曲なのだ。聴き飽きてきたけどやっぱり名曲なガスタンクのカヴァー‘ジェロニモ’、そして本編の締めはなんと『夏盤』から‘ロードムービー’!フロアの前方でハンドクラップしまくっちゃったよ。エディのいない場で特撮の曲を聴くというは滅多にないことで、おまけにギターはBERAとNARASAKIという有り得なかった取り合わせだし、そういう意味でも今日のライブは貴重かも!?12月リリースの「〜絶望少女達」の音源も期待してよさそう。


筋少のライブとはまた違ったいい雰囲気のなかではやくもアンコール。スターリンのハードコアナンバー‘天プラ’とばちかぶりの‘オンリー・ユー’というアンダーグラウンドなテイストの2曲を披露した。武道館もたしかに良かったんだけど、ロフトで演ってる時のほうが本当の大槻の姿を見ている気になる。なにしろ彼はライブハウスで育ってきた男なのだ。いいライブを見れたおかげでなんだかロフトという場所の価値も高まったような気になった。サイン入りの『大槻ケンヂ20年間わりと全作品(CD付)』を買って帰宅。


セットリストは覚えられなかったので2○hより。ライブ最中は気づかなかったけれども、カヴァーの選曲は歌舞伎町のライブハウスにピッタリだね。


大槻ケンヂ

1、僕の歌を総て君にやる(筋肉少女帯
2、中学生からやり直せ!(筋肉少女帯
3、山と渓谷筋肉少女帯
4、テレパシー(特撮)
5、パティー・サワディー(特撮)
6、喜びと辛味噌(池の上陽水)
7、氷の世界(井上陽水



SE〜‘GET WILD’(TM NETWORK
8、夢見るショック!仏小僧(電車)
9、お別れの背景(電車)
10、アタイばっか(電車)
11、トン平のヘイ・ユウ・ブルース(左トン平)
12、アベルカイン(特撮)
13、キャラメル(特撮)
14、人として軸がぶれている大槻ケンヂと絶望少女達
15、ジェロニモGASTUNK
16、ロードムービー(特撮)


〜encore〜
17、天プラ(THE STALIN)
18、オンリー・ユー(ばちかぶり)


オンリー・ユー

オンリー・ユー