NYLON100℃ 32nd SESSION 15years Anniversary 『シャープさんフラットさん』【ブラックチーム】(本多劇場)

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演:【ブラックチーム】大倉孝二 犬山イヌコ みのすけ 峯村リエ 長田奈麻 植木夏十 喜安浩平
              大山鎬則 廻飛雄 柚木幹斗 三宅弘城 小池栄子 坂井真紀 住田隆 マギー


まだまだナゴムづいている。ということで先日観た「ホワイトチーム」に続いて、今日は「ブラックチーム」の公演を観てきた。犬山、みのすけ、峯村、「劇団健康」時代からKERAを取り囲んでいるベテランが名を連ねる。
しかし日経平均株価が1万円を割った日にバブル崩壊をネタにした作品を観るというのは、何の因縁だ?




大体の骨組みは「ホワイト〜」とほぼ同じ。しかし細かい演出やセリフや衣装なんかを絶妙なポイントで「ホワイト〜」と変えてきているのが巧い。とても巧い。大きな仕掛けや奇抜な演出はもちろんない。が、最も「ホワイト〜」と違って見えた点は、こっちのほうは寒いギャグもそれなりに笑えるように作られているように思えた(「ホワイト〜」のほうは笑えないように作られていた)ことだ。


「ホワイト〜」で筋を知ってしまったせいか、インパクトは薄かったが、やはりこのチームを見ても役者陣の技量(客演の坂井と小池がイマイチだった以外には)には驚かざるを得ない。とくに長田奈麻と植木夏十は個性がしっかりと引き出されていて、独特のナイロン風味をたっぷりと味わわせてくれる演技だった。やり場のない苛立ちを抱えた劇作家を演じた主演の大倉もかなり頑張っていてくれたと思うが、三宅と比べてしまうとやや劣るか。そろそろ円熟味を帯びてきてほしい年齢になるがどうだろう。


私は「ホワイト〜」→「ブラック〜」の順で観たが、もしかしたら逆の順で観た方が楽しめたのかも。。。
どっちが良かったかといえば、断然ホワイトだな。