PANICSMILE produce “WE SAY FOGGY! vol.2” (Shibuya O-nest)


お待ちかねPANICSMILEの初ワンマン!結成17年、上京10年を記念してということで、当日券は17円、前売り券は10円という破格!吉田代表太っ腹!懐に優しい企画だ。
開場時刻をちょっと過ぎてハコに入るとなんと6階のラウンジに楽器やアンプが並べられているではないか。ここで演んのかよ!?なんかショボしょうだけど、まあそれもいいか。ほぼ定刻にメンバーが登場し、ここで初期のアルバム2枚からの曲を中心に、その後5階のハコに下りてそれ以降に発表された曲を演るという形態のライブだという説明があった。さあ、始まりだ。


初期2枚のアルバムからということでやはり最近のパニスマと比べて幾分ハードコア色が強い。しかしそれでもやっぱりパニックスマイル。バンドアンサンブルの肝がところどころで顔を出し、メンバー4人それぞれのプレイの特性や音楽センスが発揮されていた。石橋英子のハジけるようなドラミングが特に印象に残った。それにしても‘HITCH HIKE’は名曲だなぁ。。。10曲ほど演奏されてから、メンバー・客共々5階へ移動(笑)。


仕切り直し。お次は3rd〜4thアルバムの石橋ヴォーカルの曲で固めてきた‘DRYFISH’や‘VERTIGO’等、彼女が歌うバンドを代表する曲は多い。このあたりになってくるとかなり今のパニスマに近い。変拍子ポリリズム、フリーインプロヴィゼイション、ブ厚いノイズ、音楽的な仕掛けとアイディアの豊富さはさすがだ。‘STIFF LITTLE FINGER’の強烈なリフと迫真のギターソロにはいつも酔いしれて聴き惚れてしまう。こういう実験性の高いサウンドが、私は無条件で好きだ。


スペシャルゲスト(EL-MALOの柚木隆一郎)の登場挟んで、3部目(?)は再び吉田が歌うようになってからのPANICSMILEだ。このパニスマが一番好きだ。『BEST EDUCATION』も『MINIATURES』文句なく名盤だと思っている。ノイジーで浮遊感もあって、かなりイカれているけれども、どういういわけかPOPな点が良い。その上オリジナルアルバムに収録されていない‘POOR MOON’や‘WESTERN DEVELOPMENT’なんかもすごく良くできているではないか。ステージ上のアーティストと彼らを愛するファンとで作られた和やかなムードが音楽の力をさらに押すかのようで、普段の対バン形式のライブにはない感覚が味わえたのも嬉しかった。
アンコールの‘FREEDOM IS THIS’までトータルで、約30曲だったようだがそれぞれに聴きどころがあり、今後の活動にも興味が沸く存在であることを確信できた。フロアを見下ろす吉田の表情の温かさに、ジーンときた。。。