拙者ムニエル 『悪い冗談のよし子』(本多劇場)

作・演出:村上大樹

出演:加藤啓、千代田信一、伊藤修子、成田さほ子、山岸拓生、寺部智英、石川ユリコ
    林屋聖子、溜口佑太朗村上大樹、小関里恵、小手伸也(innerchild) 、杉崎真
    山田まりや


拙者ムニエルMEGUMIが出演!なかなか良い組み合わせじゃんと思って4200円の前売りチケットを取ったら、なんと次の日にMEGUMIの妊娠が報道された。その次の日には山田まりやが代役で出ると発表され、私は観劇当日まで微妙な気分…。オマケに看板女優の澤田育子が出ないとはなんともがっかり。それでもこの劇団のシュールでどうしようもない笑い・ネタは嫌いじゃないので暑い中下北沢へ足を運んだ。


あいも変わらずな感じだった。脱力的でゆる〜い、しかしメリハリのある小ネタの応酬はやっぱり良いものだ。村上大樹(かなり痩せててビックリ!)の発想や何気ない着眼点の鋭さは人気劇団の主宰の名に恥じないものだったし、加藤啓や伊藤修子の演技(というかここまでいくと「芸」に近いな)もそれを存分に面白く見せる役割をキッチリと果たしていた。舞台上でどれだけフザケられても、観てる側はどういうわけかそれを許せてしまうのはこの劇団の作品の最大の特色かもしれない。
が、主演を務めた山田は予想通り力不足。普段なら澤田が演っていたであろう役柄だったせいもあり、どうしても澤田と比べてしまう。。。ストーリーが(村上の書く本にしては)ハッキリしていて起承転結のある作品だったのも、私には山田の未熟さを余計に露呈してしまったようにも感じられた。酷い書き方かもしれないが、彼女の出てこないシーンのほうが断然面白みがあった。
山田だけのせいではないが、終盤に近づくにつれ個性やインパクトが徐々に薄口になってきて、2時間というのは冗長ではなかったか。面白い部分も多々あっただけに、逆にそうじゃない部分が目立ったようで、そこがちょっと残念。