"SHONEN SHOJO"(新宿motion)


出演:石橋英子 / tacobonds / nenem / sgt. / overleaf


パニスマ、アチコとのユニット、立て続けにライブを見てすっかり石橋英子の有能っぷりにやられたので今日はソロライブを見に来た。去年リリースされたソロアルバム『Works for Everything』はけっこう聴き込んでいるので予習はバッチリだ。トリで登場した彼女のバンドは 石橋英子(vo,p)、山本達久(Dr)、加藤雄一郎(ts)、イナッチ(as)、タカダヨウヘイ(per) というなかなか面白いラインナップである。センス抜群で卓越したピアノのテクニックと儚げなウィスパーボイスはこの不思議なバンドとどう混じりあうのであろうか。フロアの前の方に行ってじっくりと聴いてきた。


ライブらしいライブというのであろうか、ナマで聴くことの醍醐味をしっかり味わうことのできる演奏に思えた。フリージャズのように破壊的でアヴァンギャルドで混沌としたバックバンドのなかから(パーカッショニストは灯油缶を叩いたりしていた)、童謡のように柔らかいメロディと淡い歌声がすぅーーっと浮かび上がってくる。一聴するとゴチャゴチャしているが歌声の重要性は生々しく表現され、強烈なオリジナリティが発揮されていた。曲展開や歌メロの繋ぎ方には工夫が感じられてうまいこと作られているものだと感心しっぱなしである。もちろん、鍵盤を縦横無尽に動き回るピアノプレイは今夜も絶品!しっとりと弾く場面でも激しく鍵盤を叩きつける場面でも指先からほとばしり出る魔術には心を打たれた。30分しか聴けないなんて短すぎる〜!幅広さという面では「 ×アチコ」でのピアノプレイよりも今日のようなソロのほうが聴き応えがあるだろう。すっかりハマってしまった。4月も色々ライブを演るらしいので可能な限り彼女のライブには足を運ぶようにしたい。

こんな素敵なアーティストを知るきっかけを作ってくれた町田康に感謝。

Works for Everything

Works for Everything