イキウメ 『狂想のユニオン』(吉祥寺シアター)

作・演出:前川知大
出演:宇井タカシ、森下創、岩本幸子、池上ゆき、浜田信也、盛隆二、國重直也
    津村知与支(モダンスイマーズ)、有川マコト(絶対王様)、羽鳥名美子(毛皮族)、瀬川亮


週の真ん中水曜日〜!真ん中モッコリ春分の日でお休みなので吉祥寺まで行ってきた。けっこう遠いなー。新しい会場で居心地はまあまあだけど開演したらめちゃくちゃ寒かったなー。桜の開花宣言が出たばかりのこの時期なのに外より寒いってナイぜよー。トイレに行ったら藤田●樹くんがいたよー。彼はどうしてあんなお金持ちなのか。
楽日マチネ、初めてだぜ、イキウメ。寝てる人がたくさ〜んいましたね、ゲゲ☆
羽鳥名美子のお医者さん♥ごっこ込みで前売り3200円は高いのか安いのか。



ゔーー。賛否両論賛否両論…。持ち上げる人は持ち上げまくっているし、酷評している人は酷評しまくっている。こういうものこそ自分の目で観て確かめなければ〜。某えんぺの一行レビューでも揉め揉めだ。この『狂想のユニオン』、わかるようなわからないようなタイトルだが観終わってみるとまぎれもなく狂想がUNIONしていた。面白かったかと問われれば、面白くなかった。観に行かなければよかったかと問われれば、、、いや、でも観に行って良かったよ。私ならこう答えるだろう。
各々が都合良く妄想の中で生きるコミュニティーで巻き起こるSFチックな物語、ストーリーや構成はなかなか上手く練り上げられている。すごく頭のいい人が本を書いたのだなと誰もが思うだろう。笑いの要素は極力排除され、1時間50分の間ひんやりとした濃密な空気感と緊張感に会場は覆われた。なにげなく張らせた伏線をひとつずつ解いていくように進む物語は特に目新しいわけではないが、要所要所で腑に落ちる心地よさに満足感を抱くことができた。


だが、これをどうして演劇で?という疑問はやはり私も抱かざるを得なかった。場面設定やストーリーの良さをさらに演技で盛りたてるという大事な要素があきらかに欠落している。生で観ることによる臨場感や迫力も薄い。時折説明過多なセリフが登場するのでこれなら活字で読んだ方が楽しめるのではないかとどうしても思ってしまう。せっかくうまいこと話を進めていったのに手帳の件や拳銃の件、最後の最後で子供でも容易に想像できる展開になってしまってげんなりだ。もうちょっとどうにかできなかったものか。。。セットは立派でとてもカッコよかった。


なんとも言い表し難いデリケートで微妙な作品であったが、無からモノを創り出すという行為に関して、非常に勉強になったというか何かを学んだ気にはなった。呼吸をしている生身の人間がリアルタイムで見せるという演劇最大のアピールポイントにもっともっとこだわりが欲しかった。名作になりそこねて、残念。私なら★二つ半かな?



あ、白衣姿の羽鳥嬢、魅力的でしたー。大人っぽい色気といい意味での貫禄のある女性なのでこういう役にはハマると思う。患者になりたい〜!