ゴキブリコンビナート『ごきぶり名作劇場 in リトルモア地下 その2「源氏物語」』(リトルモア地下)

作・演出・美術:Dr.エクアドル
出演:油絵博士、オマンキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド、スピロ平太、本間幸子、堀内暁子、ミラ・ボボジョビッチ
    スガ死顔、病気マン、亀子のぶお、古澤裕介、遠藤留奈


先日毛皮族が軽演劇を行った原宿のリトルモア地下で今度はゴキブリコンビナートを観てきた。オフィシャルサイトには「オリジナル台本にこだわり続けるゴキブリコンビナートが、あえてその禁を破って広く東西の文学から原作を求め作品化!!」という文面が載っているが、日本人なら誰もが知っている紫式部の「源氏物語」というベタベタな古典が彼らによってどうアレンジされるのか、注目である。ワンドリンク付き(缶ビールorお茶)、前売り券1500円、親切で安くて良心的♪
暗幕で囲われただけでセットもない狭くて薄暗い地下室に、客はただ好きな位置にザブトンを敷いて座り、俳優は客の目の前、中央の開いてるスペースを使って芝居を行うという臨場感100%のあいも変わらずなトンデモミュージカルであった。オープニングから年末にポツドールの公演で観たばかりの古澤裕介と遠藤留奈が父娘というセットで出てきたので笑ってしまった。若者たちの性の乱れに警告する父親が日本の伝統的古典・源氏物語を読み聞かせるというストーリーだ。その後は光源氏の子・薫を主人公とした源氏物語・第3部のシーンが続く。
平安調の派手な和服に身を包んだ男女が終始暴れ周り、露出、エロネタ、グロネタ、バイオレンスetc、彼らにしかできないアブないやり方でわりとストーリーをわりとそのまま(私にはそう思えた)表現していたようだったのだが、これがけっこうつまらなかった。期待していただけに残念。同じようなシーンが何度もあったり、次の展開が容易に予想できたり、表現がアヴァンギャルドなのは面白いかもしれないが演劇としてはレベルが低いのではなかろうか。そもそも「源氏物語」の中の日本人の性風俗は今とそんなに変わっていないなんていうのはなんのヒネリもない事実であって、ヤッパリ感に悲しくなってきた。印象に残った場面やネタも特になく、観客の反応もかなり微妙なものだった。1時間が長く感じた。ただ、この作品はどの場所で観ても汚れる心配がないのでそういう面では安心できていいのかな?


やっぱりゴキコンは本公演に期待しよう。