毛皮族のアングラ経験劇場@リトルモア地下『コーヒー&シガレッツ的な軽演劇』・演目C『ゴドーを待ちわびた私』(リトルモア地下)

作・演出:江本純子

出演:町田マリー江本純子、水町香菜恵、柿丸美智恵


この世で一番肌が白く、この世で一番無精者の白過姫(しろすぎひめ;町田)が黒い山賊(江本)に連れられ山へ雪を見にいくことになった。白過姫は山へ辿り着き、そこで現れた醜女(水町)、年増女(柿丸)、黒いエステティシャン(江本・2役)とあいだに巻き起こるわんぱく記。この演目は客がオジサンばっかりと先日江本が語っていたが本当に男性客ばっかりでしかも満員!めったにない上演形態なだけに、今観なければと思う熱烈なファンで溢れていた。


先日の演目D(id:yasshiko:20061107)と同様、今回もお気楽で脱力的でオバカでどうしようもなくチープな軽演劇。小演劇界絶世の美女・看板女優・町田マリーが主演なので観に行かない理由はない。今回もストーリーはこの上なく適当でたいしたオチもなく終わるのだが、ところどころに核となる見所が用意されていてさすがは毛皮族たる退屈しないショウであった。白い着物を着て、顔を真っ白に塗ったくった町田、1時間に満たない軽演劇と言えどもセリフの量はとても多く終始喋りっぱなしなのだが、これがなかなかすごい。次から次へと捲くし立てる。これだけセリフが入るとは優秀◎。傍若無人で自分本位のわがまま娘っぷりは強烈!!
途中、オッ!と思ったのは中盤で彼女がカラオケを披露するシーン。上手くはないが心に染み入るような柔らかな歌声と黄色い懐中電灯に照らされたミラーボールとが相まって狭い会場が一つになるような雰囲気、、、思い出になる名場面であった。ラストの藁に塗れながらステージ上を転げまわるアヴァンギャルドな白過姫の姿も良かった。
町田とは逆に顔を黒く塗ったくった江本、山賊役とエステティシャン役、あいも変わらず陳腐な2役を恥ずかしげもなくやってのけた。彼女がいると舞台が引き締まるな。存在感が違うのだ。

来週また、演目Dを観に行こう。