矢野沙織 NHK『トップランナー』公開収録 (2005年10月9日)

公式サイトから観覧の応募をしてみたら見事に当選!ということで人生で初めてスタジオ収録を体験してしまった。集合場所に行ってみると人は約80人くらいか?小〜高校生からジャズ研のインテリ君、OL、商社マン風のサラリーマン、ジャズ好きなオジサンまで幅広いファン層であった。
入場パスを渡されいよいよ場内へ。迷路のような建物の中を局のお姉さんに連れられ皆さんゾロゾロと入場した。テレビ局の地下のスタジオというものは以外に殺風景で暗いものであった。まずはライブの観覧から。整列順に丸椅子に着席し、中央2列目というナイスなポジションをゲット。プロデューサーのようなディレクターのような男が登場し観覧に当たっての色々な説明や注意事項を。NHKというよりも民放のような雰囲気の男であった。一斉に拍手の練習、デーモン閣下の「拍手は細かく短く速く!」というお言葉を思い出した。そして待ちに待った矢野沙織(19歳)が登場!想像していたよりもずっと地味な感じだった。普通の10代といえばいいだろうか、極端にミュージシャン然とした風貌ではない。何かを話すわけでもなくたて続けに4曲を披露した。唾液が飛び掛りそうな至近距離から発せられる一音一音に集中した。なかなか良い。かなり良い。特別巧いわけでもない、何か突出するような奏法があるわけでもない、しかしなぜかテナーに比べて普段あまり聴かないアルトサックスの良さを認識した気分になってしまった。音色が綺麗で出音に自分の色があるというか、表現したいことをそのまま表現する力のあるプレイヤーであると思った。スタンダードよりもオリジナル曲のほうが魅力が出ていた。聴きたかった‘砂とスカート’はやらなかったけれども格別な気分でライブシーンの収録は終了。この後、トーク場面の収録へ、再集合は40分後。
今度は座席を決める抽選が行われなんと自分は69番。それでも中央の3列目に座ることができた。よかった。本上まなみ山本太郎メロリンQ)が登場し、続いて矢野沙織が現れた。サックスを持たない彼女はますます普通の19歳だ。フルートをやりたかったがジャンケンに負け続けてサックスを始めたこと、『Jaco Pastorius』に収録された‘Donna Lee’を聴いてJAZZに目覚めたこと、ビリー・ホリデイの自伝を読みミュージシャンを志し、雑誌をみてライブハウスに電話をかけまくって出演交渉したこと、口数は少なくマイペースに話していた。足元に飾ってあったサックスを手にしてチャーリー・パーカーばりに‘Donna Lee’をちょこっと披露。曲に愛着が深いのが顕われていて好感度抜群。そんなこんなで矢野のダラダラしたペースでトークは進み、無事収録は完了。シーンとしたスタジオ内で咳もクシャミもしずらい状況であったのでちょっと疲れたがスペシャルな良い経験であった。また何か良いアーティストが出るのであればぜひ観覧に応募してみようと思う。


NHKトップランナーhttp://www.nhk.or.jp/tr/
矢野沙織http://www.commodojazz.com/

矢野沙織

1、I Got Rhythm 2、The Days Of Wine And Roses 3、Bohemia After Dark 
4、けむりの瞳

PARKER’S MOOD~Live in New York

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