Gargoyle「龍風」

龍風

龍風

奇特なベテラン倭風メタルバンドの久しぶりのアルバムが8月にリリースされた。聴いた感じはまあ最近の[[ガーゴイル]]らしいかなと。期待通りといえば期待通りだ。
メッセージ色はわりと強め、しかしありきたりな言葉は使わないKIBAの詞には非常に深いなにかを感じる。そして適度に複雑で小気味良いリフの応酬、KATSUJIの人間業とは思えない超絶なドラミング、、、バンドの持つ長所が上手く表現されている。さらにギタリストが一人になってからますますKENTAROのプレイにはさらに磨きがかかっているし、コーラスワークも良い。
特に1曲目の‘人間の条件’は大好きな曲だ。素晴らしい出来栄えとしか言いようがない。起承転結に富む曲の構成とヘヴィなリズムセクションが魅力的だ。このような王道チューンだけでなく、‘騒乱節’や‘絶対性理論’なんかは面白みがあっていいと思ったし、じっくりと魂を込めるように歌い込むKIBAの姿が目に浮かんでくるような‘時代を知らない子供達’も印象に残った。
しかし、この作品に対して、どういうわけか私はどこか入り込めないというかハマれない。100点を取り損ねた感がぬぐえない。前半を聴いただけでアルバムの手の内が見えてしまって後半は聴いていてダレてしまう。ただ速いだけで内容の薄い曲が複数あるようにも思える。最後の2曲は詰めが甘く、早く終わってくれと思いたくなる。バンドの長所を出すということにおいては非常に上手くいっている分、その辺ががちょっともったいなかったかもね。

81点。