Voodoo Hawaiians ワンマンライブ「ALOHA ATTACK」(下北沢SHELTER)

yasshiko2005-06-04



最近になって再び精力的な活動を始めた中山加奈子率いるVoodoo Hawaiiansのワンマンライブが雨の降りしきる下北沢で行われた。
開演時間ちょうどに入場してみたのだが、やはり年齢層は高めで私と同じようにバンドブーム期に青春を過ごしたような人が大半だった。男女比は4:6で女性客がいくぶん多く、毎回必ずライブに通っていそうなコアな固定ファンっぽそうな人の割合も高いように見えた。

まずはスペシャルゲストのエノッキーワンマンバンドが登場。外見は落ちこぼれサラリーマンのような顔つきのオッサンで、一人でボーカルとテレキャスターハイハットとフロアタムを巧に操る大道芸人のようなパフォーマンスであった。
前座として気楽に見るものとして面白くなかなかウケていた。人柄も温厚そうで、もしも会社の上司や自分の友達でこんな人がいたら毎日遊びに行きたくなるような、そんないい人そうな男一匹のパフォーマンスであった。


続いて真打ちVoodoo Hawaiiansの登場。オープニングはもちろん‘E.V.D.H’!挨拶にしては贅沢すぎるパンキッシュで勢いのある曲だ。思っていた以上にかなり盛り上がる。エノッキー氏のおかげでやんわりとした雰囲気だったフロアがさっそく怒涛の爆音ロッケンロールモードに突入した。

中山加奈子の声を聴くのはいつ以来だろうか?R&Rにマッチしたハスキーな歌声とノイジーな厚いツインギターサウンドが耳を気持ちよくしてくれる。

今まではあまり好きじゃなかったというのが本音なのだが、澄田健のギタープレイがいい。非常にいい。サウンドはラフなロックンロールであってもプレイは丁寧で、おそらく頭の中でキッチリ完成させたフレーズを指で再現させているのであろう。


ハードなR&Rチューンの‘ロックミシン’、‘CHINESE ROCKS ’、‘ゼロに向かって走れ!’、、、ドロッとしてHEAVYな‘XQZ ME’、‘参謀’、、、キャッチーな歌メロの展開で曲を盛り上げていく‘DIVE INTO THE BLUE SKY’、、、しっとりと聞かせる‘36.5℃’、‘タオルケットの海’、、、、、

一口にロックンロールバンドといってもこうしてワンマンライブで立て続けに聴いてみると楽曲のタイプは驚くほどに幅広く、しかも粗そうなイメージとは裏腹に一曲一曲が細部までキチンと(特にギターリフ・アレンジ、曲の盛り上げ方などが)聴き手を楽しませるように創り込まれていることが今更になってよくわかった。どうして私はもっと早く気づかなかったのだろうか?


バンド全体としてのアレンジもピッタリとキマっていた。フロントマンのネームバリューではなくもっとバンドサウンドの良さでこのバンドは語られるべきである。ベーシストは堅実そのもの、ピッキングが丁寧で音の粒揃いがよかった。ドラマーはほどよくヘヴィでハイテクニックなプレイヤーであった。


ぜひ聴きたいと思っていた‘LIFE GOES ON’と‘マリブ・ビーチの誘惑’、どっちも聴くことができなかったものの、バンドの魅力が十分に理解できたこともあって期待をはるかにしのぐ満足感を得ることができた。フロアにいた他の客も同様で、それぞれに確かな何かをしっかりと得ていたのが表情から読み取れた。ここまで観客を喜ばす力を備えているのは、ありきたりな表現だがやはり中山、澄田の長年にわたる音楽活動の賜物なのだろう。


ダテに長くやっているわけではなく、長くやるということはそれだけたくさん勉強したり、反省したり、何かを閃いたり、いろんな人と出会ったりという幾多の経験があるはずで、音楽、とくにROCKというジャンルはそういう部分が顕れやすいのだろうと改めて思った。

■ Voodoo Hawaiians

1. E.V.D.H. 2. ロックミシン 3. XQZ ME 4. 参謀 5. スナハマ 
6. アストロパーティー(新曲) 7. 36.5℃ 8. ハネムーン(新曲) 
9. B.C.LOVE(〜Be-Bop-A-Lula) 10. CHINESE ROCKS 11. タオルケットの海
12. 星は砕け散り 13. STORM 14. ゼロに向かって走れ! 
15. DIVE INTO THE BLUE SKY 16. I ♥ed U


encore.1
17. Cherry Bomb 18. アニマルサンドイッチ


encore.2
19.フジヤマ・ママ(with エノッキーワンマンバンド)


Encore.3
20.Real Wild Child

ロックンロールアニマル

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