東京ピンサロックス他、「BO-PEEPレコ発」〜下北沢SHELTER〜


家から遠いし音が悪いしあまり好きじゃないライブハウスで、1ヶ月ちょっとぶりに見る東京ピンサロックスのライブ。ここしばらくの間、彼女らは新作のレコーディング作業に取りかかっていた。レコーディングによって何を得たのか、どう進化したのか、どんな曲が生まれたのか、ワクワクを求めて一音も聴き漏らさないぞと気合と入れて雨の降りしきる下北沢、開演10分前に入場した。

最初のバンドはapnea。ストレートな4人組ギターロックバンドだった。何の期待もしていなかったがなかなか良かった。あまり好きなジャンルではないがが曲展開やヴォーカルの歌いまわし・言葉の選び方、ツインギターの弾き分けなんかはうまいなと素直に思った。聴き手の気を惹くようにうまく出来ている。でもイヤミ臭さがなくて解りやすい。
機会があればもう一度ライブを観たい。こういう工夫をしている人たちが報われるような音楽シーンであって欲しいものだ。

最後に登場したBO-PEEPは残念ながら時間の都合で見ることを諦めてしまった。


2番目に登場した東京ピンサロックス。やや難解めな不思議なイントロ、2月に観た時と全く変わっていた。バラバラのようでしっかりバンドらしい、この時点でもう東京ピンサロックスだ。珍しくジーンズにオリジナルペイントTシャツというラフな出で立ちでヴォーカルのナオコが登場、4人が揃いさあ始まった始まった。


6月発売?という初のフルアルバムに収録されるであろう新曲を立て続けに3曲、適度な小難しさと解りやすさと若干の脱力感が見事に同居したいい曲揃いだ。アレンジやリズムは凝っていても親しみやすさは失われていない、このバンドの持ち味が充分に発揮されている。さすがっ!
スピード感やパワーじゃなくて発想とか知恵で勝負できるバンドなのでインディーズシーンでは特に貴重だ。


4曲目、同期モノを取り入れた新曲?と思いきやなんと久しぶりな‘Who am I?’。随分と大胆にアレンジし直したものだ。ピコピコ感が新鮮でみずみずしい力が感じられた。こういうことを思い切ってやれるのは、もしかしたら女の強みなのかも。。。

続いて‘プルトニウム’。もう5〜6回聴いてるのでだいたい曲は覚えてしまった。放射能がキラッと漏れるようなBメロからサビへの展開が何度聴いても素晴らしい。詞が良いし伸びのある歌声も最高だ。近い将来バンドの代表曲へと仲間入りするであろう。まだ発売前でもキラーチューンと呼んでしまおう。

次はテュリャテュリャテュリャ〜YEAH!YEAH〜〜♪、、、‘WEEK’。ナオコの一週間を歌ったこの曲はコーラスが命。今日はハッキリ聴こえたのでよかったぞ。

プログレッシヴでダウナーな‘モノポリー’、これはラブソングなのね?詞が怪しげで奥深さ満点な予感。CDが発売されたらじっくりと詞を読んでみたい。コーラスをとりながら難しいフレーズを弾くヒサヨのテクニックにも目を見張るものがあった。


イントロがドラムから始まった少年ナイフのカバー、もうおなじみ‘JOHNNY JOHNNY JOHNNY’。テンポ速い速い!それで大正解。より楽しく聴こえる様になった。初めて聴く人も楽しんでもらえただろう。まばゆいステージ上でナオコがとても楽しそうに跳ねながら歌っていた。

締めはいつもどおり‘バブルガール’。って、、、こんな曲だったっけ?アレンジがガラッと変わっていた。心地よい横ノリ、不思議なギター、うまいこと隙間を作ってある。同じ曲をやるにしてもここまで色々やってもらえると何度もライブに足を運ぶ価値があるというものだ。予想外の展開にただ驚いた。今後もこのアレンジで演っていくのだろうか?ミニアルバム「バブルガール」を聴いて予習していったらあらビックリ!?って仕掛けなわけだ。


記憶が正しければ全部で9曲。いつもよりたくさんの曲が聴けた。過去を振り返らずにどんどん東京ピンサロックスは進化していくようだ。それ追いかけるのが心の底から楽しいと思う。変わっていく勇気とさらに聴き手を楽しませようという向上心を実行に移すのは簡単に出来ることではない。ライブのたびに毎回違ったいろんな見どころがある。様々な宝箱が用意されていて、それを開けてみる時のドキドキ感がたまらない。
次のライブはどういうことで驚かせてもらえるのだろうか?


初のフルアルバム、名盤間違いナシだろう。

東京ピンサロックス


1、新曲 2、新曲、3、新曲、4、Who am I? 5、プルトニウム、6、WEEK
7、モノポリー 8、JOHNNY JOHNNY JOHNNY 9、バブルガール