YUKI 「joy」

joy

joy


33歳になったYUKISHINJOと同い年!!)の2年ぶりのアルバム、待望のソロ3作目。これまで以上に自分の良さを巧く表現しきったどこを切ってもYUKIソノモノな作品である。タイトルどおり「生きているうちに好きなことをやっておこうよ!」といった意思が全編を通して感じられる。自分が何をしたくて何を期待・要求されているのかを十分に把握した、無理のない等身大な仕上がりだ。

曲が良い、曲それぞれの歌い回しも◎(メロディーや歌詞の意味を深く理解した上での納得した歌い方だ)、ギタリスト松江潤のアレンジ力も抜群、曲単位よりもアルバム全体のムードで聴かせる力がある。
曲順もこれ以外はないだろうと思うほどつながりが良く、要所でフックのあるシングル曲が登場する。自然な作りになっているので繰り返し聴いても疲れない。
細かいところにこだわりがあるので聴くごとに新たな発見がある。
フォーク、R&R、エレクトロポップ、サイケ、テクノ、DANCE、適度な曲のとっ散らかり方も絶妙だ。ゆったりとした歌唱と心地よいアコギを中心としたギターサウンドは、よく晴れた日曜日の朝に聴くのなんかにいいと思った。日常の疲れを癒してくれるだろう。そういう意味で、最初に聴いた時はTHE BYRDSを彷彿させるものを少し感じた。矢野顕子遊佐未森なんかを好んで聴く人にも気に入ってもらえるかもしれない。

ベストチューンはやはり最新シングルの‘JOY’。このアルバムがあれば、今年はしゃくしゃく余裕で暮らせそうだ。

96点!